2012年10月14日日曜日

全国都市問題会議



二日目の全国都市問題会議ではパネルディスカッションが行われた。進行は岩手大学広田純一教授以下パネリストはボランティアをコーディネートする遠野まごころネット理事長の多田一彦氏、学生ボランティアを推進する日本財団学生ボランティアセンター長の西尾雄志氏、災害コミュニケーションの課題解決に取り組む岩手県立大学村山優子教授、復興に取り組む陸前高田戸羽太市長の顔ぶれで進められた。


 戸羽市長の体験は被災者自身の言葉として会場参加者全員の胸を打った。先ず自衛隊に対する感謝の言葉があり、発災時総人口24,246人に対し亡くなられた方、行方不明者合わせて1800名を超え、職員295名のうち68名が殉職したとの報告があった。


 そのなかで、職員も逃げる機会はあったが、市民よりも先に逃げることができないのは当然の職務であると当時の現状を述べた。また伝統的なてんでんこばらばらの考え方もあるが、多くの犠牲者は家...族を助けに帰った結果である。


 日本人の持つ感情として逃げなければいけないのはわかっているが、どこまで割り切ってできるかは難しいし、こういった平常時に職員がどこまで犠牲を払って仕事をすれば良いのか、しっかりとした棲み分けが必要があるのではないかと課題を指摘した。


 更には復興はスタートにたったばかりであり、国、県への申請書類は20センチ以上にもなり、手続きを簡素化したと言っても100あるものが、95程度になっただけで、被災地の現状にまったくあっていない。2重ローンの解消や住宅ローンの制度も使える制度になっていない。1000年に一度の災害であるが、復興の法律は平常時のままであると率直に問題を述べた。


 村山優子教授の災害コミュニケーションの考えは非常に重要あ視点ででした。教授が分析する災害時のコミュニケーションの特徴は


1.関係者の多様性


2.支援活動の多くが未経験の作業


3.感情的になりやすい状況


4.感謝を伝える暇は無い状況


5.面識のない人々との連絡や相談


6.状況は刻々と変わる中での意思決定


7.難しい真の需要の把握


等である。要は緊急時のマネジメント能力を常日頃に訓練する必要がある。これらのコミュニケーションがうまくいった時にスピードやリズムが生まれ、信頼感が高まるのである。こう考えると、自衛隊が緊急時に力を発揮するのもうなづける。


以上、このパネルディスカッションの最後に司会進行の広田教授が声を大きくして訴えた。「被災地の希望は覚醒した若者がいることです!」と。日本の宝物を育てる使命が我らにあることを自覚した2日間のコンベンションでした。





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