2011年8月25日木曜日

二人の旅路



NHKで、ある京劇俳優の夫妻のドキュメントを紹介していた。戦争、文革、日本への渡航と波乱万丈の人生に深く考えさせられた。


国家一級京劇俳優の職と地位と名誉を投げ捨てて、日本に帰国して、中国帰還者支援金で生活するその生活は必ずしも本位ではない。


そんな時に故郷の劇場が閉鎖されるため最終公演に「覇王別姫」を夫婦で共演するよう要請があった。しかし奥さまの柴田真理さんは共演を固持した。そしてご主人だけが20年間のブランクを乗り越えて見事に演じきる。


最後になぜ奥さまが共演しなかった理由が明かされる。


その理由は別姫の自殺で終わる夫婦の悲しくも悲惨な別れを例え演劇であったとしても演じたくはなかったという。


戦争で引き裂かれたご両親の人生と自分達の人生に抗って、二人の愛を貫いて生きる人生は尊い。しかし、こんな素晴らしい技術を持ちながら日本で生かせないのは本当に残念だと胸が痛んだ。





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